関西で新しい街歩きの楽しみ方を提案します

宇治 絶景が広がる宇治川の両岸に、緑の旗がたなびく「お茶の街」

散策コース:宇治)

京都府南部には、南東から北西へ向けて宇治川という名の大河が流れています。

宇治川は、琵琶湖から流れ出る川で、上流側の滋賀県では「瀬田川」と呼ばれます。

一方、下流側では京都市西部を南に流れる桂川と合流し、淀川となって大阪へ向けて流れていきます。

この宇治川沿いに発展したのが、今回ご紹介する宇治の街です。


地名「宇治」の由来

宇治橋と宇治川の景観

宇治の寺社巡り

「お茶の街」宇治

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宇治川と宇治橋

地名「宇治」の由来

宇治という地名は、第十五代応神天皇の皇子、菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)に由来があるとされています。

菟道稚郎子は、現在の宇治の地に「菟道宮(うじのみや)」という宮を建てて暮らしていました。


また、この皇子は、日本書紀では、兄思いの心優しき人物として描かれています。

父の応神天皇の死後、菟道稚郎子とその兄は、ともに自身が天皇になることをよしとせず、お互いに相手に皇位継承を譲り合うこと3年。

これではらちがあかないと思ったか、なんと菟道稚郎子は、自ら命を絶つことで、兄を半ば強制的に即位させたのです。


なお、弟に譲られる形で即位した兄は、第十六代仁徳天皇

堺市にある日本最大の前方後円墳「仁徳天皇陵」の被葬者とされる天皇です。


一方、弟の菟道稚郎子のお墓は、この宇治にあります。

宇治の中心、京阪宇治駅の1つ北の、三室戸(みむろと)駅。

ここは、西国三十三所第十番札所、三室戸寺の最寄り駅ですが、この駅の南西ほど近いところに、菟道稚郎子のお墓が残されています。

菟道稚郎子の墓

宇治橋と宇治川の景観

さて、宇治の街を縦断するように流れる宇治川には、宇治橋という橋が架かっています。

この宇治橋は、遠い昔、飛鳥時代にかけられたという言い伝えがある、長い歴史のある橋。

山崎橋(現在の京都府八幡市、大山崎町にあった橋:現存せず)、瀬田の唐橋(滋賀県大津市)とともに、日本三古橋の1つとされています。


この宇治橋は、宇治を代表する名所の1つ。

宇治に来たら、まずは、この宇治橋の周辺を散策してみましょう。


宇治橋の中央よりもやや西側には、宇治川上流側に突き出た「三の間」と呼ばれる場所があります。

ここは、豊臣秀吉が茶の湯の水を汲ませた場所と言われています。

宇治橋

言い伝えの真偽はさておき、三の間から眺める宇治川上流の景色は絶景です。

宇治橋がかかっている地点から少し上流(南側)には、2つの島からなる中州があります。

四季折々の色づきを見せる宇治川両岸の景色と、川岸から中州へ架けられた橋の下を、川の水がしぶきを上げながら流れていくさまは、大変風情があります。

宇治橋から眺める宇治川の景観

中州の2つの島は「宇治公園」として整備され、誰でも気軽に散策できるようになっています。

(注)現在、宇治公園の再生工事が行われており、公園の一部は立ち入りが制限されています。


南側の島には、大変背の高い石の塔があります。この石塔は「十三重石塔」。

鎌倉時代に、宇治橋の修復を行った奈良西大寺叡尊上人によって建てられたものです。

高さは15m。日本に現存する中では最大、最古の石塔とされ、国の重要文化財に指定されています。

宇治の十三重石塔

また、宇治は、紫式部が書いた源氏物語の最後のお話「宇治十帖」の舞台としても知られます。

宇治川の周辺には、「橋姫」「夢浮橋」など、宇治十帖の古跡が点在しています。

宇治十帖のお話をご存じの方は、宇治川周辺の景観を眺めながらの「宇治十帖古跡巡り」にチャレンジしてみてはいかがでしょう。

橋姫(橋姫神社)

宇治の寺社巡り

宇治川周辺の景観を楽しんだ後は、川沿いに広がる宇治の街を散策してみましょう。


歴史の古い街には由緒ある寺社が残されていることが多いのですが、この宇治も例外ではありません。

宇治川の両岸には、大小さまざまな神社仏閣が並びます。


まずは、宇治川の西側。

ここには、宇治第1の名所、世界遺産「古都京都の文化財」にも指定されている、平等院があります。

平安時代、時の関白、藤原頼通によって建てられたお寺で、国宝「鳳凰堂」が有名。

平等院鳳凰堂

平等院の西には縣(あがた)神社

1052年、平等院の鎮守社として創建されたと伝わります。

ご祭神は、天孫・瓊瓊杵尊(ニニギ)の妻、木花開耶姫(コノハナノサクヤヒメ)です。

縣神社

一方、宇治川の東岸には、宇治神社宇治上神社があります。

宇治神社と宇治上神社は、現在でこそ別々の神社ですが、明治維新までは二社一体。

平安時代の延喜式神名帳(当時の神社一覧)にも記載されていた、由緒ある神社です。


宇治神社の祭神は、先にもご紹介した、宇治とのゆかりの深い皇子、菟道稚郎子

菟道稚郎子を祀る宇治神社本殿は、国の重要文化財に指定されています。

宇治神社

宇治上神社は宇治神社のすぐ近くにあります。

この宇治上神社の祭神も、宇治神社と同じく、菟道稚郎子。

ただし、こちらでは、菟道稚郎子の他、菟道稚郎子の父の応神天皇と、兄の仁徳天皇も一緒に祀られています。


宇治上神社の祭神三柱を祀る本殿とその前にある拝殿は、ともに国宝に指定されています。

特に、本殿は、日本に残る社殿(神社の建物)としては最古とされています。

一間社流造の小さな社殿が3つあり、覆屋(おおいや)と呼ばれるカバーに覆われた構造。

覆屋の正面格子からその内部を覗いてみると、ほぼ同じ形の3つの社が並んでいるのがわかります。


この宇治上神社は、平等院とともに、世界遺産「古都京都の文化財」に登録されています。

宇治上神社

「お茶の街」宇治

もう1つ、宇治を散策する上で、忘れてはならないものがあります。。

それはお茶

宇治は、室町時代から続く、日本でも有数の茶の産地で、昔から「宇治茶」は高級茶の代名詞です。


宇治の街は、お茶一色。

街の至るところに、「お茶」と記された緑色の旗やのれんがたなびき、通りにはお茶のほのかな香りが漂ってきます。

宇治茶を楽しみたい方へのおすすめスポットは、平等院の表参道

平等院の表門に続く参道の両側には老舗のお茶屋さんが並びます。

店頭で宇治茶の試飲も行っているところもありますよ。

高級感あふれるお茶の香りが楽しめる、この表参道は、環境省の「日本かおり風景百選」にも選ばれています。


また、ここでは、お茶だけでなく、お茶を使った食べ物も楽しみたいもの。

平等院の表参道には、茶そばや、抹茶アイスなどの抹茶スイーツを提供するお店も並んでいます。

平等院の広い境内を参拝して疲れたら、表参道の抹茶スイーツを食べて疲労回復!

平等院表参道

また、お時間あれば、宇治茶に関する次の施設ものぞいてみては?

まずは、「宇治・上林記念館」。

上林(かんばやし)」とは、代々、宇治のお茶師であった家系で、老舗のお茶屋さんの1つ。

この記念館には、上林家秘蔵の茶壺など、貴重な品々が展示されています。

また、記念館横には上林の直営店があります。おみやげ候補が宇治茶なら、ぜひお店の中ものぞいてみてくださいね。

宇治・上林記念館

もう1つは、福寿園が運営する「福寿園宇治工房」 。

福寿園も、京都の老舗のお茶屋さん。現代では、サントリーと組んで世に出したペットボトルのお茶「伊右衛門」が有名です。

この工房の魅力は、実際にお茶づくりの工程を体験できること。

お茶の葉を「もみもみ」したり、石臼でお茶をひいたり、なかなか楽しそう。(お茶づくり体験は要予約)

また、工房オリジナルのお茶を販売する茶店や、お茶を使用したスイーツやお料理を提供するお食事処も併設されています。

福寿園宇治工房

まろやかな煎茶を喫し、抹茶いっぱいのスイーツを食し、高級宇治茶をおみやげに買って帰る。

お茶三昧の宇治散策を、ぜひお楽しみください。

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スポット情報

<平等院>

住所 京都府宇治市宇治蓮華116
最寄り駅 JR宇治駅、京阪宇治駅から徒歩10分
拝観時間 大人600円 中高生400円 小学生300円 年中無休
(鳳凰堂内部拝観)志納金300円
ホームページ 平等院


<縣神社>

住所 京都府宇治市宇治蓮華72
最寄り駅 JR宇治駅、京阪宇治駅から徒歩10分
ホームページ 縣神社
備考 境内自由


<宇治神社>

住所 京都府宇治市宇治山田1
最寄り駅 京阪宇治駅から徒歩8分
JR宇治駅から徒歩13分
ホームページ 宇治神社
備考 境内自由


<宇治上神社>

住所 京都府宇治市宇治山田59
最寄り駅 京阪宇治駅から徒歩10分
JR宇治駅から徒歩20分
ホームページ 宇治上神社(京都府ホームページ)
備考 境内自由


<宇治・上林記念館>

住所 京都府宇治市宇治妙楽38
最寄り駅 (京阪)宇治駅から徒歩5分
(JR)宇治駅から徒歩5分
開館時間 午前10時~午後4時
休館日 毎週金曜日 お盆の時期、および、年末年始
入館料 大人200円 子供無料


<福寿園宇治工房>

住所 京都府宇治市宇治山田10番地
最寄り駅 (京阪)宇治駅から徒歩8分
(JR)宇治駅から徒歩15分
開館時間 午前10時~午後5時
休館日 月曜日(祝日の場合は翌日)
備考 入館無料 工房での体験には事前予約が必要
ホームページ 福寿園宇治工房

関連地図

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