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東大寺 愛らしい鹿たちと国宝建造物が共存する、大仏さんのお寺

散策コース:奈良(1))

東大寺は、「奈良の大仏さん」で知られる華厳宗の大本山。


奈良時代の都、平城京には東に突き出た「外京」というエリアがありましたが、この外京のさらに東に建てられた東大寺。

現在でも奈良市の中心部の東に位置します。


その周辺には、青々とした芝生が美しい奈良公園が広がります。

そのため、東大寺や近隣の興福寺の周辺には、奈良公園の鹿たちが「ごく普通に」出没。

ここは、昔も今も、鹿と共存してきた地域です。


全国の国分寺の頂点に立つ、「鎮護国家」の象徴寺院

境内で調和する、国宝建造物と奈良公園の鹿

東大寺境内に残るさまざまな建造物


東大寺

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全国の国分寺の頂点に立つ、「鎮護国家」の象徴寺院

さて、奈良時代は、「仏教によって国家を護る」という鎮護国家の時代。

天皇を中心とした朝廷の主導で、各地に「国分寺」と呼ばれる寺院が建てられました。


その中でも、各地の国分寺を統括する総国分寺として、当時の聖武天皇により建立されたのが東大寺です。

日本第一の官寺にして、鎮護国家の象徴的なお寺です。


当時の東大寺は、「総国分寺」という地位にふさわしい伽藍を備えていました。

その中心は、当時の朝廷の総力を挙げて建立された大仏大仏殿

創建時の大仏殿は現在のものよりもさらに巨大なものであったとされています。


また、境内の東西には、一説には高さ100mとも言われる七重の大塔を備えていたそう。

特に東塔については現在も基壇の調査が進められており、将来的に再建する計画もあるようです。

東大寺大仏

境内で調和する、国宝建造物と奈良公園の鹿

さて、その長い歴史と総国分寺という格の高さから、東大寺には貴重な文化財が数多く残されています。

仏像などの工芸美術品にもすばらしいものはもちろん多いのですが、東大寺境内を歩いていて目がいくのはやはり建築物。

大仏殿をはじめ、国宝指定の木造建築物が多い点には驚かされます。


なお、この東大寺も、興福寺と同様、過去に伽藍焼失の憂き目にあっています。

まずは源平動乱の時代。平氏による南都焼き討ちにより、東大寺は壊滅的な損害を受けました。

二度目は、戦国時代。畿内での争乱に巻き込まれて大仏殿が焼け落ちてしまいました。


そのため、東大寺では、一度目の焼失の後の鎌倉時代と、二度目の焼失の後の江戸時代に、それぞれ大規模な復興が行われています。

現在の東大寺に、鎌倉時代や江戸時代に再建されたものが多いのはそのためです。


一方で、東大寺の境内には緑の芝生が広がり、あちこちで奈良公園の鹿たちが草を食んでいます。

鹿さんたちは「鹿せんべい」も大好き。

おみやげ屋が並ぶ南大門近くには、「せんべいおくれよ~」と言わんばかりに多くの鹿が出没します。

もらったせんべいを食べながら観光客のカメラに収まったりしています。なんとも愛らしい姿。

国宝指定の建造物のそばで、多くの鹿たちがのんびりと過ごすさまは、東大寺ならではの光景です。

鹿と南大門

東大寺境内に残るさまざまな建造物

次に、東大寺の境内の見どころについて、特に国宝にも指定されている建造物を中心にご紹介していきましょう。


(1)東大寺が誇る二大メジャースポット、南大門と大仏殿

(2)風情ある参道を歩いて、境内東側エリアへ

(3)少々マイナーな境内西側エリア



(1)東大寺が誇る二大メジャースポット、南大門と大仏殿

まずは、東大寺が誇る二大メジャースポット、南大門大仏殿から。

奈良観光の定番スポットです。

特に南大門前は、おみやげ屋さんが集まり、観光客も集まり、さらには観光客が買った鹿せんべい目当てに、大勢の鹿もやってくるという、東大寺の中で最もにぎやかな場所です。

南大門前の賑わい

<南大門>

南大門は東大寺の正門。

高さ25mを超える日本でも最大級の大きさを誇る木造の門。鎌倉時代の再建で、国宝指定。


東大寺南大門は、鎌倉時代以降に出現した寺院建築の新様式、大仏様(だいぶつよう)の典型例と言われます。

大仏様の特徴の1つはその「剛健」さ。

南大門の真下に立って上を眺めてみましょう。

太い柱の間に「貫(ぬき)」と呼ばれる水平材が何本も通された「ごつい」構造が露わになっています。

東大寺南大門

門自体の存在感もすごいのですが、もう1つ忘れてはならないのが、門の開口左右に立っている2体の金剛力士像

いかつい顔をした2体の金剛力士は、ともに高さ8mを超える巨大な像です。

あまりにも大きくて、近くから見上げていては像全体がわかりにくいです。少し離れて見てみましょう。


なお、2体の金剛力士像は姿が違います。

一体は口を開けた阿形(あぎょう)の姿、もう一体は口を閉じた吽形(うんぎょう)の姿。

なお、どっちが阿形でどっちが吽形か忘れてしまう!という方は、口を開いて「あ!」と叫んでいるのが阿形、「うん」と口を閉じているのが吽形と覚えましょう。

金剛力士像

<大仏殿>

東大寺本尊の大仏(盧舎那仏)を安置するお堂。国宝指定。

こちらは江戸時代の再建です。


大仏さまは、座高15mという巨大な像。(大仏の詳細については、東大寺大仏もご覧ください)

それに伴って、大仏さまを収容する大仏殿も、幅、奥行き、高さがそれぞれ50m前後と、大変大きな造りとなっています。

ただし、これでも創建時の大仏殿には及ばず。今の大仏殿は、創建時のものと比べて約2/3の大きさです。

資材運搬や建築など全ての工事を人力で行っていた奈良時代。

大仏の製作はもちろんのこと、巨大な大仏殿の建築もかなりの難工事であったと推測されます。

大仏殿

また、大仏殿を訪れた際には、大仏殿前にぽつんと置かれている、八角燈籠も要チェック。

大きな大仏殿に目を奪われて素通りしがちですが、この八角燈籠も実は国宝。

側面に嵌め込まれている羽目板の一部は、奈良時代創建時のものというから驚きです。

大仏殿前の八角燈籠

(2)風情ある参道を歩いて、境内東側エリアへ

大仏殿から東には、石畳と石段が続く、風情のある緩やかな坂の参道が延びています。

その先は、大仏開眼以前の、東大寺の前身となるお寺が存在したエリア。

ここには、鐘楼法華堂(三月堂)、二月堂などが残ります。

二月堂への道

<鐘楼>

鐘楼は、梵鐘を吊り下げておく建物。

どこのお寺にもたいていあるのですが、境内の隅にあったりして見逃してしまうことも多い建物の1つです。

特に東大寺では、大仏殿周辺だけを巡って帰る方も多いので、特にそうかもしれません。


東大寺の鐘楼は、大仏殿の東、大仏殿から法華堂や二月堂へ向かう途中にあります。

ちょっと開けた場所の中央にポツンと立っています。


鐘楼は鎌倉時代の建築物で、国宝指定。

太い縦の柱に横に貫が通されて組まれたがっしりとした構造体です。

また、鐘楼に吊られている梵鐘も国宝。

東大寺の創建時に作られたとされる、重量26.3tの大きな鐘です。

東大寺鐘楼

<法華堂>

別称は「三月堂」。奈良時代の建立で、東大寺の中で最も古い建物です(国宝)。

法華堂は、大仏殿から少し離れていたことも幸いし、兵乱による焼失を免れてきました。


また、法華堂の中は貴重な仏像の宝庫。

中央には、八本の腕を持つ巨大な像、法華堂本尊の不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)。

その他、梵天・帝釈天像や四天王像など、1体の秘仏も含め法華堂内の仏像は全部で10体。すべて国宝です。

法華堂

<二月堂>

法華堂のそばにあるお堂で、お水取り(修二会:しゅにえ)の行事で知られます。

お水取りは、春の訪れを告げる古都奈良の風物詩。二月堂の上で火のついた大きなたいまつを振り回すという、派手な”アクション”で知られています。

このお水取りが行われる時期が旧暦の二月であったことから、二月堂と呼ばれるようになりました。

二月堂

二月堂も、上の法華堂と同様、2回の兵火による焼失は免れたのですが、江戸時代に、お水取りでのたいまつの火が燃え移って全焼してしまいました。

現在の二月堂は、その後、1669年に再建されたものです(国宝)。


なお、特に行事などなければ二月堂に登ることができます。

二月堂からの見晴らしは良好。東大寺の境内はもちろん、その向こうに広がる奈良の街も見渡せます。

二月堂からの眺め

(3)少々マイナーな境内西側エリア

境内の西側は、「大仏池」と呼ばれる大きな池がある、広々としたエリア。

大仏殿や法華堂周辺と比べて知名度が低く、少々マイナーな場所なのですが、ここにも見どころはあります。

例えば、戒壇堂正倉院転害門などが残ります。

池を挟んで眺める大仏殿

<戒壇堂>

奈良時代の仏教では、「戒壇」と呼ばれる特殊な場所で、「受戒」と呼ばれる儀式を受けたものだけが正式な僧として認められました。

その戒壇は神聖な場所であり、誰でも築くことができるものではありません。

東大寺では、中国(唐)から招かれた高僧、鑑真和上により、戒壇が築かれました。


ただし、当時の建物は焼失しており、現在の戒壇堂は江戸時代の再建です。

戒壇堂自体は国宝ではありませんが、お堂の中には、奈良時代の塑像の傑作とされる、四天王像(国宝)が安置されています。

東大寺戒壇堂

<正倉院>

元は東大寺の倉庫。奈良時代の建築物です(国宝)

教科書などでもよく登場する、「校倉造り」の高床式倉庫です。

現在は宮内庁の管理で内部の公開はされていませんが、近くから眺めることはできます。


正倉院の中には、聖武天皇と光明皇后にゆかりの深い、貴重な品々が収められています。

なお、正倉院の宝物の一部は、毎年秋に奈良国立博物館で開催される「正倉院展」で公開されます。


<転害門>

「転害門」と書いて「てがいもん」。東大寺境内の西の端に立つ、横長のどっしりとした大きな八脚門です。

この門は、奈良時代創建の建築物(国宝)。法華堂と同様、東大寺に現存する建造物の中でも、かなり古い部類に入ります。

ただ、大仏殿からはかなり離れたところにあるため見逃されてしまうことが多い、ややかわいそうな門です・・・。

転害門

以上、東大寺というお寺と、その境内の見どころについて、ざっとご紹介しました。

東大寺に残る貴重な国宝建造物と、その傍らでくつろぐかわいらしい鹿たち。

意外な組み合わせの妙が感じられる東大寺境内、時間をかけてゆっくりと散策してみたい場所です。

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スポット情報

<東大寺>

住所 奈良市雑司町406-1
最寄り駅 近鉄奈良駅から徒歩20分
バス利用の場合、市内循環バス「大仏殿春日大社前」下車徒歩5分
定休日 年中無休
拝観時間 <大仏殿・法華堂・戒壇堂>
午前8時~午後4時半(11月~2月)
午前8時~午後5時(3月)
午前7時半~午後5時半(4月~9月)
午前7時半~午後5時(10月)
拝観料 <大仏殿・法華堂・戒壇堂>
大人・高中生500円 小学生300円
(注)お堂ごとに上の拝観料が必要
ホームページ 東大寺公式ホームページ

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