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銀閣寺 金閣とは対照的!渋さが持ち味の地味な銀閣

散策コース:京都(7))

銀閣寺は、京都の東山連峰の1つ、大文字山(如意ヶ嶽)の麓にあるお寺。

金閣寺と同様、臨済宗相国寺派の塔頭寺院。

なお、「銀閣寺」は通称で、正式な寺名は東山慈照寺。

この通称は、境内に「銀閣」と呼ばれるお堂が残ることに由来します。


足利義政の「東山文化」の象徴

さて、銀閣寺は、元からお寺として建てられたわけではありません。

その前身は、足利義政の山荘「東山殿」。


足利義政は、室町幕府八代将軍、そして、室町時代の大乱「応仁の乱」当時の将軍でもあります。

応仁の乱はさまざまな原因が複雑に絡み合って生じた複合的な乱ではありますが、将軍後継に関する義政の優柔不断さも乱の原因の1つに挙げられます。


その性格で幕政を混乱させた感もある将軍義政ですが、書画などの文化に関しての感覚は一流。

京都東山の地に東山殿を造営して移り住み、「わび・さび」の東山文化を築いた文化人でもありました。

この東山殿は、主である足利義政の死後、寺院に改められました。

これが東山慈照寺、通称「銀閣寺」です。

銀閣寺(東山慈照寺)

慈照寺創建当時から残るお堂、銀閣

この銀閣寺も、京都の他の寺院と同様、相次ぐ戦乱によって被害を受けてきました。

ただ、観音殿と東求堂の2つのお堂だけはなんとか焼失を逃れ、創建から500年以上を経た今日まで残されています。


特に観音殿は、義政の祖父でもある、三代将軍足利義満が建てた金閣(鹿苑寺舎利殿)を参考に建てたとも言われるお堂。

金閣との対比で、いつしか、銀閣と呼ばれるようになりました。


銀閣寺の見どころ紹介

では、銀閣寺の見どころについて、銀閣(観音殿)を中心にご紹介していきましょう。


銀閣寺垣

銀閣(観音殿)

東求堂

庭園(慈照寺庭園)


<銀閣寺垣>

銀閣寺の総門をくぐった先、中門へ向かう参道の両脇に、銀閣寺垣が延びています。

腰上の高さぐらいの石垣の上に、竹垣が載せられた、趣のある垣根。

下段の石垣、中段の竹垣、さらに竹垣の上に茂る青々とした生け垣の、3段の異なる垣根の調和が見事です。

銀閣寺垣

<銀閣(観音殿)>

通称「銀閣」と呼ばれる観音殿は、その名の通り、観音菩薩を安置するお堂。

銀閣寺創建時期の1489年の建立で、国宝に指定されています。


室町時代は、日本の芸術文化が花開いた時代。

その代表格が、金閣に代表される絢爛豪華な北山文化と、この銀閣に代表されるわび・さびを尊ぶ東山文化です。

常に金閣と対比される銀閣ですが、改めて銀閣をつぶさに眺めてみると、実際には、金閣とは異なっている点がかなり多いことに気づかれると思います。

銀閣(観音殿)

まず、金閣は「金ピカ」ですが、銀閣はというと、全然、「銀ピカ」ではありません。

銀箔どころか、黒漆が塗られた渋いお堂で、色だけで名付けるなら、まるで「黒閣」です。

これについては、金閣にならって銀箔を貼る予定だったが、応仁の乱による混乱と財政難のため実現できなかった、という説があります。


ただ、銀閣が建立された時代は、「わび・さび」の東山文化全盛期。

この時代の流行の先端は「渋さ・地味さ」にありますから、わざわざ、銀箔を貼って華美にするつもりはなかったのではないかと思います。

また、金閣は三層のお堂ですが、銀閣は二層です。さらに、銀閣の二階の板壁に3つの窓が並ぶ意匠も特徴的。

色だけでなく、外観のデザインにおいても、金閣とはかなり違いますね。

側方から見た銀閣

<東求堂>

東求堂(とうぐどう)は、銀閣よりも少し早い1486年の建立。こちらも国宝指定です。

この東求堂は、足利義政の念持仏(身辺に常に置いて拝むための仏像)を安置したお堂です。このような建物は、一般に持仏堂と呼ばれます。

なお、上でご紹介した銀閣の内部は残念ながら非公開。

これに対して、東求堂の内部も普段は一般に公開されていませんが、時期を定めて特別公開が行われる場合があります。

東求堂

<庭園(慈照寺庭園)>

銀閣と東求堂の周囲には、特別名勝の庭園が広がります。

銀閣寺の庭園鑑賞ポイントの1つは、銀閣の前に置かれた、向月台(こうげつだい)と銀沙灘(ぎんしゃだん)です。

向月台は、円錐台形の造形物。一方、銀沙灘は、砂で表現した波間。

何これ?と、つい思ってしまう不思議な砂の造形。


しかし、ぽろぽろとこぼれ落ちる砂だけで、このような造形物を作り上げてしまう、庭職人さんの技術はすばらしいですね。

方丈前から眺めると、陽光を受けて照り輝く砂庭のバックに銀閣が控えます。

砂庭の白砂と黒漆塗りの銀閣のコントラストが美しいです。

慈照寺庭園

もう1つのポイントは、白い砂庭と反対側に広がる、錦鏡池を中心とした池泉回遊式庭園です。

銀閣はこの池の畔にたたずむ形で建てられています。

錦鏡池を挟んで対岸から眺める渋い銀閣の姿は、周囲の草木の緑とも見事に調和しています。

錦鏡池と銀閣

白い砂庭を前にした銀閣と、池の横にたたずむ銀閣。

自然の景色を巧みに取り入れた庭園内を散策しつつ、さまざまな方向から銀閣を眺めてみましょう。

周囲の景色と調和した銀閣の姿を見ていると、自然と気持ちも和んできます。

スポット情報

<東山慈照寺(銀閣寺)>

住所 京都市左京区銀閣寺町2
最寄り駅 銀閣寺道バス停より徒歩5分
(銀閣寺道バス停へは、京都駅、地下鉄今出川駅、阪急河原町駅、京阪出町柳駅などからバスが出ています)
拝観時間 夏期(3/1-11/30):午前8時半~午後5時
冬期(12/1-2/末日):午前9時~午後4時半
年中無休
拝観料 大人・高校生500円 小中学生300円
ホームページ 臨済宗相国寺派ホームページ

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